サッカーワールドカップの組み合わせ抽選でよく耳にする「ポット」。
「日本はポット3」「強豪国はポット1」といったニュースは見たことがあっても、具体的に何を意味しているのか、そしてどうやって決まるのかを正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。
この記事では、抽選ポットの仕組みと決まり方を基本から解説し、さらに2022年カタール大会の実例と2026年大会の予測を交えて詳しくご紹介します。
抽選ポットとは何か?
抽選ポット(Pot)とは、ワールドカップ本大会のグループステージ組み合わせ抽選を行う際に、出場国を事前に割り振る「くじ入れ」のことです。
ポットに分けられた国々は、抽選会でそれぞれ異なるグループに配置されます。これにより、特定の国同士が同じグループに固まりすぎることを防ぎ、試合の公平性と大会全体の盛り上がりを確保します。
ポット分けの基本ルール
ポット分けは、大会直前の最新FIFAランキングと特別ルールに基づいて行われます。
下の表は、その基本ルールを簡潔にまとめたものです。
ルール | 内容 |
---|---|
1. ポット1 | 開催国+FIFAランキング上位7カ国 |
2. 順位分け | 最新FIFAランキング順でポット2〜4を決定 |
3. 大陸制限 | 同じ大陸連盟のチームは原則同組不可(欧州のみ最大2チーム可) |
この仕組みにより、開催国や世界ランキング上位国が早期に潰し合うことを防ぎ、各大陸の代表が広く大会に散らばるようになります。
2022年カタール大会の事例
2022年大会は32カ国が出場し、FIFAは2022年4月1日の抽選会で以下のようにポット分けを発表しました。
日本は当時FIFAランキング23位でポット3となり、強豪国と同組になる可能性が高まりました。
ポット | 国名 |
---|---|
ポット1 | カタール、ブラジル、ベルギー、フランス、アルゼンチン、イングランド、スペイン、ポルトガル |
ポット2 | メキシコ、オランダ、デンマーク、ドイツ、ウルグアイ、スイス、アメリカ、クロアチア |
ポット3 | セネガル、イラン、日本、モロッコ、セルビア、ポーランド、韓国、チュニジア |
ポット4 | カメルーン、カナダ、エクアドル、サウジアラビア、ガーナ、コスタリカ、オーストラリア、ウェールズ |
結果、日本は「スペイン(ポット1)」「ドイツ(ポット2)」と同じE組に入り、死の組と言われましたが、劇的な2勝を挙げてグループ1位突破を果たしました。
この事例は、ポットはあくまで組み合わせの難易度を示す目安であり、試合結果は予想を覆すことがあることを示しています。
2026年大会の予測と日本の位置づけ
2026年は出場国が48に増え、アメリカ・カナダ・メキシコの3カ国共催です。
現時点(2025年)で出場を確定させている国や、FIFAランキングを基にした日本の予想ポジションは以下の通りです。
予想ポット | 国名(突破確定含む) |
---|---|
ポット1 | アメリカ(開催国)、カナダ(開催国)、メキシコ(開催国)、ブラジル、アルゼンチン、フランス、イングランド、スペイン |
ポット2 | オランダ、ポルトガル、ドイツ、ウルグアイ、ベルギー、クロアチア、モロッコ、日本 |
ポット3 | 韓国、セネガル、イラン、セルビア、コロンビア、ナイジェリア、アジア予選突破国 |
ポット4 | アジア予選突破国、アフリカ予選突破国、北中米予選突破国 など |
2026年抽選会の予想シナリオ
日本がポット2に入る条件
- 2025年末までにFIFAランキングで20位以内に入る
- 格上との親善試合で勝利し、ランキングポイントを大きく加算
死の組の例
- ポット1:フランス
- ポット2:日本
- ポット3:コロンビア
- ポット4:ナイジェリア
ポット戦略の重要性
ポットは単なる抽選の順番ではなく、グループ突破確率を大きく左右する戦略的要素です。
FIFAランキングを上げる戦略
- 格上との試合を増やす(勝利時ポイントが大きい)
- 親善試合でも勝利を重ねてランキング維持
- アジア予選や大陸大会での勝率を安定させる
他国の事例
- ベルギー:格下との試合を減らし、効率よくポイント加算
- スイス:主要大会前に格上と集中的に対戦しポット1入り成功
まとめ
- 抽選ポットは公平な組み合わせのための重要な仕組み
- 日本は2022年ポット3から死の組を突破
- 2026年は48カ国制で、ポット戦略の重要性はさらに高まる
- FIFAランキングを意識した試合運びが、抽選を有利にするカギ